見て、触って、なめて……。赤ちゃんは毎日、いろいろなものに触れて、感じて、遊びを通して成長していきます。赤ちゃんの発達に合ったおもちゃを選び、安全に、落ち着いて遊べる環境をつくってあげたいですね。そして何より大切なのは、「おもしろいね」「できたね」と楽しい気持ちを共有する相手がいること。赤ちゃんと一緒に、遊びを楽しみましょう。
赤ちゃんは遊びの中から、つまんだものを放したら落ちた、トントンと叩いたら音が鳴ったなどさまざまなことを発見して興味をもちます。そして、それらを体験することによって学習し、運動機能の発達も促します。また、これまでできなかったことができるようになることが楽しくなって喜びを感じ、おなじことを何度も繰り返します。
こうした遊びによって、赤ちゃんの心身が発達していきます。赤ちゃんの成長や興味に合った遊びを取り入れましょう。
まわりのものを見ることが遊びになります。自分の手を見つめたり、指しゃぶりしたりすることで、自分の体をたしかめるようになります。
首がすわり、体全体を動かす遊びが楽しめるように。欲しいものに手を伸ばしてつかみ、口に入れてたしかめます。
両手を使えるようになり、手指を使う遊びが活発になるので、両手でおもちゃをもってカチカチぶつけて音を出す、物を引っ張り出す、穴にポトンと落とすなどの動きを楽しみます。歯が生え始め、短期的な記憶力もついてくる時期なので、「いないいないばあ」などの遊びもママやパパが出てくるのを予想して喜ぶように。
両手が上手に使えるようになり、スプーンなど道具を積極的に使ったり、はいはいで欲しいもの、興味のあるものを取りにいったりします。大人のしていることに興味を示し、まねをしたがって、日用品などにも興味を示します。好奇心旺盛にあちこちを探索するので、安全に動き回れるように環境を整え、自由にいじりまわせるものを確保してあげることが大切です。
手先が器用になり、小さなものを指でつまめるようになるので道具を上手に使えるように。まねっこ遊びや歌に合わせてリズムをとる遊びや絵本などをより楽しめるようになります。また、お絵かきを楽しむ赤ちゃんもいるでしょう。
保田典子
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。